2014年11月2日日曜日

外国人と自営業

このブログを書き始めてはや数年。
ブログを始めた当初の頃とは、結婚や子育て、海外生活等について、ずいぶん考え方が変わりました。

特に日本に帰国して、会社クビになって自営業を始めて、ようやく収入が安定し始めてからは、ライフスタイル(表現寒っ)に対する考え方が「180度変わった」と言ってもいいくらい。

何が正しい、何が間違ってる、ということはないけれど、少なくとも私個人は、「もっと自由に暮らすことは、別に悪いことではないんじゃないか」と思い始めています。

少々長いですが、とある自営業者さんのブログより引用。




"社会保障の側面から見ても、年金や健康保険、雇用保険など、どう見ても雇われの身になった方がいいんじゃないかと思える今日この頃です。唯一おいしいのは、税金の申告ぐらいですか。常識で考えれば、あまり独立なんてことは考えない方が賢いのでしょう。
さてさて、なぜこんな話をしたかといいますと、実は日本経済の構造について、いろいろ気になってもいるからなんです。
ウィキペディアの「資本主義」についての記述の中に、「レギュラシオン学派による資本主義類型」ということで、以下のような資本主義の類型が紹介されています。
市場原理型資本主義
アングロサクソンモデルとも言われる。金融部門の発達による民間保険メニューの充実が、福祉国家を不要とする。また、製品市場競争は低品質・低価格競争が主であり、低賃金労働者の需要が多い。そのため低賃金化を促進するために、やはり福祉国家の削減が推進される。また金融部門の発達が株式市場の活性化を促し、上場企業に対する短期利益の追求を要求する。そのため低賃金労働者への需要が多くなる。 
福祉国家型資本主義
北欧モデルとも言われる。金融部門の未発達が福祉国家の必要性を促進する。また賃労働関係における同一労働同一賃金と福祉国家による積極的労働市場政策とが、雇用の流動性を促進する。製品市場競争における貿易依存度の高さは、安易な賃金上昇を回避するための同一労働同一賃金へと繋がった。 
コーポラティズム型資本主義
大陸ヨーロッパモデルとも言われる。金融部門の未発達に対して、中程度の福祉国家と中程度の雇用保障で対応する。 
自営業型資本主義
地中海モデルとも言われる。金融部門の未発達が強い雇用保障を促進する。強い雇用保障が大企業における雇用拡大を阻害するため、自営業者の増加を促進する。 
大企業型資本主義
アジアモデルとも言われる。金融部門の未発達に対して大企業が終身雇用の提供と福祉国家の代行(企業福祉)を促進する。株式市場が非活性なことは、株主が企業経営から排除されることを推進し、これが上場企業の長期戦略(終身雇用等)を可能にした。また、社会保障の未発達は個人貯蓄の増大を促し、これが間接金融による株式市場の不活性を促進する。

日本は、大企業型資本主義ということになります。ちなみに、気になるのが「自営業型資本主義」。イタリアやスペインが相当するのでしょう。これらの国は、あまり経済パフォーマンスがいい印象はないんですけど...

この類型で見れば「大企業型」と「自営業型」の違いは、「雇用保障」の違いにあるとみているようです。企業による雇用保障に頼っている「大企業型」では、自営業はおいしくないのでしょう。まあ、その企業による雇用保障(終身雇用)も大企業正社員以外、総崩れの様相ですが...

そして、僕が気になる「自営業型」のイタリア。

 『著者によると、総人口5700万人のイタリアには現在約2000万の企業体が存在するという。労働人口当たりで考えれば、ほとんど1人1企業、すなわち全員が社長の国なのだ。
 当然その多くは家族および顔を見渡せる数の従業員から成り立つ零細企業。このような経済構造の国は、少なくとも先進国では他に例を見ない。』

イタリアは、確かに経済パフォーマンスでは劣るのかもしれませんし、そもそも行政や公共サービスがまともに機能していないなど、多くの問題を抱えているのは確かです。でも文化的な側面で考えれば、雑多というのか、玉石混淆というか、多様性というのか、とにかく組織されていない、個人のエネルギーみたいなものを感じるのです。

一方、今の日本は、小売りや外食がみんな全国チェーンになって、どこでも一緒、金太郎飴状態なのは、文化的に非常に貧しくなってきているように思えるんですよね。(中略)はっきりいって「無難」以外の何物でもない店ばかりです。

どうして、日本では自営業者の元気がないのか?を考えると、それだけで本1冊余裕で書けてしまいそうな気もするんですが、とりあえず、

もう少し、自営業というものに、スポットライトが当たってもいいのではないでしょうか?"


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引用が長すぎたのでどこか削ろうかな、とも思いましたが、削る場所がわからないくらいいちいち納得。記事内ではイタリア人の話をしていますが、そこは「メキシコ人」と読み替えてもわりと当てはまると思います。

そしてもうひとつ、上記イタリア人の働き方リンクから、私はこちらを引用。

"頼れるものは自分と血縁地縁など手と目の届く世界だけ。そして体を張って幸せをつかみとることに最大の誇りを見出す(というイタリアの身内主義に対して)、日本の経済成長を支えた会社主義は、組織に人が合わせることで成立してきた。それが一転、今度は会社に頼らずオリジナルな人生設計をしなさいといわれている。だが両者は、ともにその人がその人として育ってきた核、たとえば家族や地域や親しんできた文化、価値観から切り離したところに職業人生をデザインしようとしている点で共通していないだろうか。"

少なくとも私は小さな頃から「会社に就職する」というワーキングスタイルしか教わってこなくて、「自分でビジネス始めて、それで"自"分で生"活"していく」なんて、「収入少ないプアな人たち」のイメージしか刷り込まれていませんでした。

ところが国が変われば価値観はまるで違っていて、「自分の働きたいように働く」「自分が稼いだ分は雇用主が持っていくなんて。たくさん働いても給料変わらないなんて納得できない」民族もいるわけです(笑)

それは私が教わってきたほどに悪いことではない、というのが最近の思いです。本当に自己責任だから、売上が減れば収入も減ります。雇われてた時みたいに「ヒマでもお金もらえる」「働いている限りお金もらえる」わけじゃないです。

でも雇われの時より色々勉強するしアイデアも考えるし、失敗もする・成功もする。自分で自分の生活をつかみとる手応えを直に感じます。

それはそれで価値のある生き方だって、もっと子どもたちに伝えてもいいんじゃないかな、と最近思います。

安定した収入が、幸福を絶対保証するわけじゃない。
会社に就職して働くことのみが、人生の選択肢じゃない。

人には色んな生き方があって、長い人生の中で、時間をかけて、自分が幸せだと思える生き方を見つけてもいいんだって、どうして子どもたちに伝えてあげないのかな?


ちょっと話が長くなってしまったので、この辺で。最後に有給消化率と不満率のグラフを貼っていきます。

有給消化率最低なのに、不満も低い日本人…。「日本人は働き者!」って誇りに思うコメントも見かけて、もう…文化的ヤマイ、ですね…。
逆に消化率高いのに不満も高いフランス人wwwすごいなwwww日本では働けないんじゃwwww

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