2013年6月4日火曜日

娘の診断②診断とテストの結果

でも娘は全然人見知りしません。むしろお友達は大好きで、いつも子どもたちのそばに駆け寄って行っては、笑顔で宇宙語で話しかけています。

「問題は、人見知りするかしないか、ではないんですよ。コミュニケーションが双方向か、一方通行かということです。彼女はこの診察室に入ったさい、私のことなんか全然気にしなかったでしょ?普通はこちらを見るんですよ。あ、この人お医者さんだな、ここの部屋の人なんだなって。彼女は見向きもしませんでした。年齢のわりには、社会性が低いんですね」
「子どもに駆け寄っていくのは、多分彼女にとって、まわりの子がおもちゃみたいに見えてるんだと思います。叩くと反応するおもちゃと一緒です」

知的障害を疑っていましたが。
「言葉が出ないと、判断も難しいですからねー。もうちょっと年齢が進んでからでないとわかりませんが。たぶん違うと思うんですけどねー。なんとも言えません」

バイリンガルな環境ですが、日本語に統一した方がいいですか?
「どちらでもいいですよ。バイリンガル環境かどうかは、彼女の発語には関係ないです。ただ単純にコミュニケーション能力が低いだけですから。最終的には日本語も英語も話すようになるんじゃないかなと思います」

将来、娘が自立できるのかどうか聞くと、
「現時点では断言はできないけれど、自活できるようになる可能性はあります。自閉症でもずっと症状が軽くなって、ちょっと変な人、ぐらいにまでなる人もたくさんいますから」


その他細々したことを聞き、最終的に、今は療育・リハビリに通いながら、加配枠いわゆる障害児枠で来年度の保育園申請するのがベストではないかとアドレスを受けました。

「3歳・4歳、保育園生活で、ものすごく伸びる子もいますからね。今はアタッチメント・愛情を大切に、療育で保育園入園に向けて集団生活の準備をすすめていくといいですよ」


ひとまず、娘は病気なのだと「わかって」、少しホッとしました。
そして少し泣きました。

そんな私に、夫は「泣くな」と。
「自閉症の子っていうのは、上手く反応したり表現したりできないだけで、自分が変だってわかってるんだ。俺は自閉症もひっくるめて娘を愛してる。お前がそのことで泣いたら、娘が自分を責めて悲しむから、泣くな」

そうだね。
でも夫が時々、泣いてること知ってるけどね。


セカンドオピニオンとして、県立の発達障害専門の病院も訪れ、心理士さんによるテスト(K式)も受けました。
こちらは2時間と、たっぷり時間をかけて診断。

お医者様の診断内容は、国立病院のお医者様とほぼ同じ。
テストの結果は、姿勢・運動は3歳程度と年齢相応でしたが、認知・適応は1歳0ヶ月程度、言語・社会は1歳5ヶ月程度、総合判定は1歳3ヶ月程度で、IQは46でした。
IQ75以下が障害児認定となるので、さくらは35~50の療育B1レベル・中程度ということになります。


一時保育を利用するにも、普通の託児所では心配なので、専門の療育施設を利用するため、今月末に児童相談所へ行き、正式に認定を受ける予定です。こちらはこちらで、また独自のテスト・診断をするそうです。


娘の診断①病院にいたるまで

ずっと心配していた娘の症状について、数日前、ようやく国立病院の児童精神科にかかることができました。

療育先の何人かのお母さんから「あのお医者さんは世間話で終わるよ」「かかってもあんまり・・・」と聞いていたので、30分と決められた診療時間だけでは足らないかもと思い、これまでの経緯をレポート用紙2枚に簡単にまとめて持って行きました。

託児所の保育士さんからずっと、協調性がないと言われ続けたこと、最後に預かりを断られたこと、下の子と比べると目線が合いにくいこと等。


最近、公園へ行ったときのことも書きました。

砂場で同じ歳くらいの子が数人、山を作り水を流して遊んでいました。
「ここ山~」「トンネル作るよ」「車とおります~。あ、つまっちゃった」

娘は、嬉しそうに両手をぴらぴらさせて、ぴょんぴょん周りを跳び跳ねてました。
お友達の顔をのぞきこんだり、遊びたそうにしていたら、「いっしょにあそぶ?」と声をかけてもらいました。
娘は「うぎゃっ」っと笑顔になって、奇声を発するだけ。

「このこ、へん」
気味悪がられ、みんな娘に構わずまた遊び始めました。

娘は嬉しそうに奇声を発しながらぐるぐる走り回り、ふと立ち止まると、突拍子もなく大声で歌を歌い始めました。

なんで今まで気づかなかったんだろう。
外に出ても周りに迷惑をかけることの方が多いので、出かけることが億劫で気がつきませんでした。

この子、変だ。


言い訳に聞こえるかもしれませんが、娘の場合「迷惑はお互いさま」なんて言葉で片付けられるレベルじゃなかったんです。年齢が進むにつれて、周りとのギャップはどんどん開いていくし、扱いは難しくなる一方。息子なら、周りに迷惑かけても「子どもだから」と全然気にならないのに。

だから、正常と言われるのを願う反面、お医者さんに娘のオカシイ部分をわかってほしいと願う部分もあって、複雑な心境でした。



病院を訪れた日、待ってる間ぐずらないようにとおもちゃや絵本を持って行きましたが、ちょっとしたキッズスペースがあったので、待ち時間も困らずにすみました。

「どうぞ」
診察してくれたのは、優しそうなおばあちゃん先生。
「どうされました?」
「実は・・・」
と先ほどのレポートをお渡ししましたが、なんだか流し見なかんじ・・・。

やっぱり世間話で終わるんだろうか、と固唾をのんでいると、
「まぁアレですね。いわゆる公汎性発達障害・・・自閉症です」

あっさり診断がおりました。