昨日に引き続き、出生届編です。
私の戸籍謄本と引き換えに書類は通ることになり、翌日、出生登録をするために、さくらを連れて役所へおもむきました。
朝10時半ということで、昨日と比べるとロビーにはずいぶんたくさんの人でごった返しています。
席を見つけて、さくらを抱えながら時間を待っていると、「アノネ~」と甲高い声が聞こえてきました。
フリオと2人で声の方を向くと、金髪にモモイロ肌の太ったおばさんが、夢見心地で「アナタ ナマエ ナニ~」と聞いてきます。
「あ、その・・・●●です・・・」
勢いに押されて返事をすると、
「ここで会ったが100年目!!!!」とばかりにますます目を輝かせ(使い方違)、「ソウナノ~!!!!」
ど、どうしようこの状況・・・。
目を泳がせながらフリオをチラッと見ると、彼も困ったような妙な顔をしています。
ところが彼女はそんなのお構いなしに、フリオの肩をばんばんと叩き、「コイビト?」
「はぁ・・・」困る私と、
「ウ~ン~vv」なぜか得意げなおばさん・・・。
親指を立てて意味ありげな視線をフリオに送ります。
一方のフリオは強張った笑みを浮かべ、固まっています。
「ワタシ コイビト イナイ~!」
「そ、そうですか・・・残念ですね」(知らんがな)
私なりに頑張ってみましたが、フリオは視線を合わせないし、このウキウキっぷりじゃあ、下手に話をふくらませたら永遠に話し続けそうだし、微妙な笑みを浮かべながら、二、三、会釈をする程度にとどめます。
「カモン!」とばかりに日本語待ちされましたが、私が話を続けないので、彼女は少し離れた席に座りました。
それでもそわそわしながら、私の方を見て、大声で
「アナタ ニホンジン?」
え、いまごろ・・・!?
聞くの遅くね!?こんだけ日本語で話しかけておきながら!?と思いながらも、「ハイ・・・」
「ソレハ コドモ?」
「はぁ・・・」
「ウ~ン~vv」
そうこうしているうちに時間が来たので、窓口に座りました。
訳文を添付し、手続きをします。
証人を引き受けてくれた友人も到着しました。
ところが、ここでひとつ問題が。
私は在日韓国人で、父は韓国人、母は日本人なのですが、登録項目に「韓国人」がないというのです。
「韓国、韓国・・・カメルーンとカンボジアはあるんだけどねー。あっ、あった!北朝鮮でもいい?」
同じ韓国でも、南と北は大違いですからやめてください。
またしても眼鏡の男性(オタク)を呼び、なんとか登録をします。
「お父さんの名前は?」
苗字を見ながらチェックをしていると、窓口のおばさんは変な顔をしました。
「あなたの苗字って、どこから来てるの?」
そうなんです。
うちは両親が離婚しているのですが、私が使っているのは韓国人の「通名」、つまり在日韓国人の日本用の苗字で、父の苗字は韓国正式のもの。
書類上で見ると、私の苗字は、父のものとも母のものとも違うのです。
「在日外国人には通名というものがありましてな・・・」
まず、そこから説明をしなければいけないのですが、おばさんにとっては「?」の連続。
「日本って面倒くさいわねー」
最後には、よくわからんけどまぁええわい、といった感じでパソコンに打ちこんでいました。
打ち出された書類をチェックし、サインをしたところで、さくらの指を取って捺印。
めでたく出生登録ができました。
登録にかかった時間は、約1時間。
あの甲高い日本語を話していたおばさんも、途中で「ソレジャ サヨウナラ~」と声をかけて帰っていきました。
やれやれ、大変でした。
・・・と思ったのですが、日本側の手続きのがもっと大変でした。
大変、というより精神的に疲れますただ・・・;
続く☆
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