日本への道①そのツケを払ったのは

現在深夜２時半。
こんな時間でもなきゃパソコンなんて使えねぇんだよ、乳児のおかんはよ・・・（深酒）
なんてヤサグレはさて置き（笑）

更新がずい分遅くなってしまいました。
帰国からこっち、毎日毎日毎日掃除をしているのですが、なかなか終わりません。
まぁほとんど人がいなかった家じゃけぇ・・・なんか煙たい？と思いきや、それはホコリと猫の毛だったり、窓にドット模様が？と思いきや、びっしりとした子バエの死骸だったり、「お前んち、靴脱ぐ意味なくね？」（汚すぎて）なんてフリオからツッコミが入るほどの汚れっぷりであります。

でも順調にフリオの仕事が見つかれば、今住んでいる公営住宅の部屋は、私たちがメインで住めることになりそうです。
築70年近くになる古いマンションですが、2LDKで最寄駅まで徒歩10分＝家賃1～3万はビンボー夫婦な私たちにとって、とっても魅力的でしてよ！

それにしても、ここにたどり着くまで長かった・・・。
最後の最後まで、メキシコは酷かっｔ、いえ、大変でした・・・。
疲れがなかなか取れず、最近はほとんど外出もしていないので、日本への帰国話でも。
フリオにとっても私にとっても、メキシコには二度と帰りたくないと思わせてくれる旅路でしたよ！にこ！




出発の前日。
家族みんなは近くの町のプールまで出かける予定でしたが、結局アリソンが風邪を引いてしまい、お義母さんとホルヘだけが遠出をし、おばあちゃんは残ってくれました。
おばあちゃんと彼の息子・セサにさくらの相手をお願いし、バタバタと荷詰めを開始。
出発の日は朝4時起きだというのに、荷詰めは深夜まで続きました。

最後の夕食は、おばあちゃん特製のチーズケーキ（風）。
最後の最後にセサが泣き出し、フリオも耐えられないと、涙を流しました。
おばあちゃんも、「どうしてみんな子どもを遠くに置いていけるんだ。どうして離婚するんだ」とずっと泣いていました。

というのも、
お義兄さん＝離婚により娘別居。ちなみに養育費なんぞは一銭も送らず連絡もとってない。数年に１度ふらっと会いに行く。
（その割に最新の携帯買ったり靴代やら酒代やらネット代やらにつぎ込んでるのが私は納得いかないというのは別の話）
ホルヘ＝奥さんとは別居。離婚はまだ。ちなみに最近、別の女の人の間に隠し子が発覚したけれど、それはお義母さんとフリオしか知らない。

で、フリオもセサと遠く離れるわけで・・・。
でも正直、こんだけ甘やかしておいたら結婚生活は無理だろ、と思わなくもない。
いやー、他人だから言えることですがね・・・。


ほとんど眠ることなく、早朝４時過ぎ。
軽く顔を洗って歯を磨きはじめたところで、家の方がばたばたと騒がしくなってきました。
どうしたのかなと、さくらを連れて見に行くと、
「車がない。兄さんが乗っていった」
あーりーえーねーーーーー・・・・！！！！！！

電話をしても電源が切られているため、かかりません。
空港までは車で１時間ちょっと。
飛行機の出発は朝７時なので、６時に空港と考えると、遅くても５時前には出たいところ。
この時点で朝４時半をまわっています。
時間がありません。

時間は伝えたはずなのに、今日出発とわかっているのに、どうして車に乗っていくのか・・・！！！！
実は、心当たりがないわけではありませんでした。
というのも、正直、私とお義兄さんの仲は、あんまりいい方とは言えなかったのです。

以前にも話したとおり、私たちの食費は家族と別なのですが、食材を買ってきても必ずお義兄さんが使ってしまうので、何度か揉めたことがあるのです。
他の兄弟は別のところに住んでいるし、お義母さんもおばあちゃんも早くに寝ます。
深夜に調理をするのはお義兄さんだけ。
朝起きると、必ず１人分の食材が使われているので、使わないようお願いしても「知らない」「濡れ衣だ」「証拠はあるのか」と、議論になってしまい・・・。
そのこともあって昼食はおばあちゃんに作ってもらうことになったのですが、それ以外でも、車の故障を私たちのせいにされたり、お義兄さんが払わない家計分を私たちが払わされたり、えらそうに育児の説教されたり（娘に養育費も送らないオメーはどーなんだ・・・！）というのもあって、私はできるだけお義兄さんは避けるようにしていました。

最後の最後に何なの！？
もう二度と会うことはないのに、どうしてこんなことするの！？
わざとなのは明らかです。
「あいつが帰ってきても怒るな。ただ黙って、最後だと思って我慢してくれ」
フリオに頼まれましたが、はらわたが煮えくり返って仕方ありません。

やっと電話が繋がったのが、朝５時前。
今から帰ると言って、家に着いたのが朝５時過ぎ。
「何騒いでるんだよ？」
しらばっくれた態度に、みんなが怒り始めましたが、私はぐっとこらえて待ちます。
ところがみんなの怒りに対して、だらだらだらだら長々と言い訳が始まり・・・。

もう５時過ぎてるんですけど！
飛行機間に合わないかもしれないんですけど！
ガタガタ抜かすのに腹が立ち、
「うルッせーんだよ！お前の言い訳なんて聞いてねぇんだよ！！！」
とキレてしまいまして・・・。

さっと車のキーをお義兄さんの手からひっつかもうとしたところ、
「なに言ってんだ、こいつ？なにしてんだ？」
彼はスペイン語でせせら笑いました。

これでマジギレです。
「てめぇの話なんて聞いてねぇっつってんだろ！もう私たちは出るんだよ！黙ってろ！」（注；日本語）
「なに言ってんだ！お前はいままで俺に対して冷たい態度取ってきたくせに！」（英語）
「知らねぇよ！なにもかもてめぇが悪いんだろーがよ！」（日本語）
「なに話してんだ！？わかんねぇよ！」（英語）
「うるせぇっつってんだよ！」（日本語）

まぁ・・・朝から大人げないですね。
でもこの時は、今までの同居でこらえてたのが、一気に噴出してしまいました。
同居だから、我慢して何も言えなかった。
言葉が違うから、言いたくても言えなかった。

でもこのツケを払ったのは、私ではなく、セサでした。

もともと車で空港まで送っていくのはお義兄さんだったらしく（私は知らなかったんですが）、このケンカのせいで、彼は送っていかないと言い出しました。
お義母さんは長距離の運転は嫌と言い、お義弟は運転できるものの、大学があるのでこの日のうちには帰ってこられません。

結局、お義弟と私たち３人だけで空港に向かうことになり、空港まで一緒に行くはずだったセサは、ここでお別れ。

フリオはセサをぎゅっと抱きしめ、「ごめんな、ごめんな。いつか必ず日本に連れてきてやるからな。遠くにいても愛してるよ。ごめんな」
２人とも涙を流しながら、抱き合っていました。
セサは、私の腕の中のさくらにボールを渡し、「グゥ！グゥ！」（※メキシコでの赤ちゃんへかける言葉）と、泣きながら、無邪気に笑うさくらの頬をつついていました。

おばあちゃんやお義母さんともハグし、あわただしく実家を後にしました。
この時点で、朝５時半（遅）。
空港まで大急ぎで車を飛ばします。


「最後ぐらい、セサときちんとお別れしたかった。どうして我慢できなかったんだ」
フリオはずっと悲しそうでした。
プチンとキレてしまうのは、私の悪い癖。
私たちのバカなケンカのせいで、セサは来られなかった。
バカだった。
怒るべきじゃなかった。
最後ぐらい、ぐっと我慢するべきだった。堪え性がなかった。

チワワの雄大な朝焼けなんて、これっぽっちも目に入らないくらい、私の中は後悔と怒りと悲しみでぐちょぐちょになっていました。